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桜梅桃華@女装・TSF小説
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残業の果てに辿り着いた、僕の新しい世界:14

秘密な二人

お昼前のオフィスは、いつもより静かだった。

プリンターの音と、数人が打つキーボードの音だけがフロアに響いていた。

私は席を立ち、営業部の千尋ちゃんのデスクへと向かった。


「千尋ちゃん、お昼休み、時間ってある?」

突然声をかけると、彼女は小さく肩を揺らして振り返った。


「瑠衣さん、どうしました?」

彼女は微笑みながら立ち上がった。


私は少しだけ彼女に近寄り、耳元でささやいた。


「この間、茜が千尋ちゃんに送った音声データの件なんだけど……」

その瞬間、千尋ちゃんの頬がぱっと赤くなった。

視線が泳ぎ、唇が何かを言いかけて止まる。


「あ……レンさんの……」


「そうそう、びっくりしちゃったよね?」

柔らかく言いながら、私は彼女の反応を観察する。

動揺の中に、わずかな好奇心の光。

やっぱりこの娘……素質ある……。


「その件で、レンくんが千尋ちゃんに話したいことがあるんだって。大丈夫かな?」


「話したいことですか……?」

彼女は戸惑いながらも、少し考えてから頷いた。


「……分かりました」


「良かった。じゃあお昼休みに1階の資料室に来て貰えるかな?」

「あっ、レンくんは少し遅れるみたいだから、鍵を開けて先に中で待っててくれる?はい、これ」

私は経理部で管理している資料室の鍵を彼女に渡した。


「あ、ありがとうございます……」

千尋ちゃんの返事を聞いてから、私はそっと席に戻る。


スマホの画面を開く。

メッセージアプリの吹き出しにはレンくんの名前。


『命令:12時ぴったりになったら資料室で、千尋ちゃんの名前を呼びながら乳首をいじること。中から鍵を閉めれば大丈夫だから』


送信。

すぐに既読がつく。

画面を閉じて、私は胸の奥で微かに笑った。


ふふっ……お昼休みが楽しみだね……。


◆


――時計が12時を指す。

昼休みのざわめきが遠ざかる中、僕は資料室の扉を静かに閉めた。


呼吸が浅い。心臓の音がやけに大きく響いている。

乳首がブラと擦れて、神経がそこに集中していく。


ポケットにはスマホ。

お昼前に瑠衣さんからメッセージが届いた。


『千尋ちゃんの名前を呼びながら乳首をいじりなさい』


足がすくむ。けれど、拒否はできない。

幸い、昼休みに資料室に来る人はいない。ましてや、鍵を閉めてしまえば誰にもバレない。


右手がゆっくりとカッターシャツの中、ブラの奥の突起を目指す。

乳首に触れた瞬間、身体がびくりと跳ねた。

今までの調教で、もう自分の身体が勝手に反応してしまう。


「……っ、千尋ちゃん……」

声を出した途端、胸の奥が熱くなった。

羞恥で顔が焼けるように赤くなるのに、

指先は止まらない。


「千尋ちゃん……っ、聞こえたら……どうしよう……」

言葉を吐くたびに、空気が震え、

乳首に掛けた力が少しずつ強くなる。


あの時の声――録音されたあの音。

自分で聞いて、逃げ出したくなるほど恥ずかしかったのに、

今はその続きを、自分からしている。

本人がいる建物の中で……。


「千尋ちゃん……あぁ……気持ちいい……」。

全身が火照って、足が力を失う。


そのときだった。


「レンさん……」


電気が走る様に、全身が震えた。

背筋が凍る。


ゆっくり後ろを向く。


そこに立っていたのは――千尋だった。


◆


「あ……あ……」

声が出ない。

僕の右手は、まだブラの中で止まっている。


千尋の目がそこに釘づけになる。


「ち、ちが……違う……これは……」

すぐに手を引いた。

言葉が詰まり、何も言えなくなる。


千尋は数歩だけ前に出た。

眉が困ったように歪んでいるのに、目の奥はどこか怪しい光を帯びている。


「瑠衣さんから……“資料室でレンさんが話がある”って言われて……」


やがて千尋が、小さく息を呑んだ。


「……どうして、私の名前を……?」


僕は俯いたまま、震える声で答える。


「……ごめん……命令、だったんだ。瑠衣さんに……言われて……」


「命令……?」

千尋の目がわずかに見開かれる。

驚きと戸惑い。

けれど、その奥に、ほんの一瞬だけ別の感情が混じった。


「命令だけ……ですか?……レンさん、私の目を見て……私の名前……もう一度、呼んでください」

静かな声。けれど、その響きは、拒絶を許さない。


彼女の顔がすぐ近くにある。

視線が絡む。

逃げられない。


「ち、千尋ちゃん……」

声を絞り出した瞬間、胸の奥が痺れる。

乳首が脈打って、全身が波のように震えた


千尋の瞳が、まっすぐ僕を射抜いていた。

逃げようとしても、その視線が肌の奥まで入り込んでくる。


「そのまま……さっきの続きをして下さい」

小さく息を飲んだ僕の動きを、彼女は見逃さなかった。


「命令で嫌々やっていたなら止めてもいいです。でも……もし続きをしたいなら……いいですよ」


◆


理屈の上では従う理由なんてないのに、

声を聞くだけで身体の奥が反応してしまう。

指先が、胸のあたりで止まる。

呼吸が浅くなり、鼓動が早くなる。


「……やっぱり、止まれないんですね」

千尋の声が、わずかに震えを含んでいた。

その震えが、空気を伝って僕の中に染みていく。


「上着、脱いでください」

一瞬、時間が止まった。


「え……」

彼女の表情は変わらない。穏やかで、しかし一切の逃げ道を塞ぐような瞳。


おそるおそるボタンに手をかける。

シャツの布が指の間をすり抜け、ブラの奥にも冷たい空気が肌に触れた。

視線を感じる。

まるで、その視線が触れてくるみたいに、背筋がぞくりとする。


「……私が……触ってあげますね……」

千尋の指先が、そっと僕の胸もとに触れた。

その瞬間、息が止まる。

指先はわずかに震えていたけれど、動きは迷いがなかった。

「……すごい、熱い……」

呟きのような声が落ちる。

その言葉に合わせて、胸の奥がきゅっと締めつけられる。


視線をそらそうとしても、千尋の瞳がそれを許さない。

距離が近い。吐息が混ざるほど。

ふたりの間の空気が、柔らかく揺れている。


「恥ずかしいですか?」

うなずこうとしたけれど、声が出ない。

ただ、喉の奥からかすかな息だけが漏れる。


千尋はそんな僕の反応を確かめるように見つめていた。

その眼差しは優しさでも冷たさでもなく、

まるで“観察”のようだった。


「……レンさん、すごい……えっちな顔してます」

静かな声が、耳の奥を震わせる。

自分の表情を見られていることが、どうしようもなく恥ずかしい。

けれど、それ以上に――逃げられない。


胸の奥が脈打ち、呼吸が乱れる。

頭が真っ白になっていく中で、

千尋の唇がわずかに動いた。


「……ねぇ、レンさん」

「――このまま続けたら、どうなっちゃうんでしょうね」


その声が、耳のすぐ近くで溶けた。

身体が勝手に震え、意識が霞む。


世界が遠のいていく中、

千尋の目だけが鮮明に見えていた。


【15章へつづく…】

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